人権教育と聞くと何か難しい教育というように勘違いされている人も見受けられます。しかし、人権教育というのは何も難しいことをやっているのではありません。普通に考えて、「あれっ、何かおかしいな。あれは差別だな」と感じる感性を養うことにより、「自分は差別はしない」とか「そんな差別はなくさないといけない」というように思える人を増やすための教育なのです。人間は不思議なもので、自分が被害を被った時だけ、差別を感じますが、他人が被った時には、「他人事」で済ませてしまう習性があります。この時に、この他人が、自分であったり、自分の大切な人であったならどうでしょう。やはり憤りを感じると思います。このことを常に根底に置いておきながら、物事に対処していける人々を育てるのが、人権教育なのです。「不合理」を感じ、「憤り(いきどおり)」を感じ、共に考えることにできる人間関係を構築していくための学習です。
差別にはいろいろあります。「部落差別・外国人差別・男女差別・性的マイノリティへの差別・障碍者差別等々」 それぞれにおいて、自分には関係ないと思えば、それまでです。だが実際の生活の中では、関係なく済ませられることは少ないのです。いま関係ないように思えることでも、いつか自分に関わってくることなのです。だから自分の人生をより良きものにするためにも、しっかりと人権教育を学び、自分の力となるように心がけていきたいものです。
さあ、これから、少しずつですが、私の実体験をもとに差別について紐解き、多くの人の感性につなげていきたいと思います。