令和2年度 姫路地区私立学校人権教育協議会研修会

 2020年11月17日 T町・T地区フィールドワーク感想文集

硬式野球ボールの革を製造している工場

1•本日のフィールドワークを通して、実際に皮革工場地区を見学して、部落差別はその時の為政者、政府が人為的に作り出したものであり、その地域に住んでいる人はその作り出された差別に振り回されていたのだろうと思いました。「差別をなくそう」と言う言葉だけでは、なかなか差別はなくならないと言うのは、その通りであると思います。実際、お話にあった姫路市の意識調査結果で、部落差別をなくすよう働くべき人々が、「居住地区として同和地区を避ける」と多く答えていたように無意識のうちに自分が行っている差別に気づき、反省する意識を育てなくてはなかなか差別と言うものはなくならないのではないかと思います。フィールドワークで印象に残ったのは、大きなお寺でした。同和地区の人々が「生きている内には楽しみが少ないから、死後は極楽浄土に行けるように」と多く寄進していたと言うことが、とても胸に迫って感じられました。同和地区の人々に怖いイメージがあると言う回答が意識調査の中にありましたが、実際は死後の世界に願いを託し、信心深く、慎ましく生活をしていた私たちと変わらない人々なのだと感じました。そのように、知ったこと、学んだことを差別を無意識のうちにしてしまっている人に伝えることで、少しずつ人々の意識の中にある差別をなくす一助としていきたいと感じました。

T町内にある教福寺の扉に掲示されているもの

2•今日もありがとうございました。言いたいことが山のようにあります。フィールドワークで目で見て、耳で聞いて、心で感じることがたくさんありました。前回の(多分6.7年前)D先生のお話で印象に残っていたのが「姫路城を中心に同心円状に部落がある」と言うことでした。部落が先で、姫路城が後と考えたら、(男山ではなく姫山にしたのも)、部落の位置で姫路城の位置が決まったのかと驚きました。

 C先生のお話で、もともと自分はT町出身で、T地区に移ってきた理由をさらりと、でもこれからの部落のスラム化への懸念も考えながら、言われていて「そうだったのか」と納得しました。部落出身で教師になられた先生(友人)を何名か知っていますが、(かつて私が教師になった頃、37年前は〇〇先生は部落出身と教えてくれる人がいて、…)D先生やC先生のように「自分が部落出身で、この差別をなくしていかなあかん」と普通にさらっとおっしゃっている人はいません。私の知る限り、お二人だけです。ある1人の友人は、私は部落出身と打ち明けてくれたり、○○町の殺人? 事故現場がネットに上がり、中傷がひどかった時は「我慢できない」と連絡をくれました。私は37年前、大阪市内の部落産業のない同和教育推進校に勤めたこと、そこで解放学級の担当した時から、誰よりも自分は部落問題について、考え、憤りを持っていましたが、やはり当事者ではないから、ネットの書き込みがあったときは「あーひどいなぁ」くらいにしか思いませんでした。長く長く、人権担当させていただき勉強してきた私でもやはり当事者ではない、教員や子供たちにどうやったら同和問題が伝わるのか、まだまだ模索中です。またフィールドワークに参加したいです。ありがとうございました。

3•このたびは研修に参加させていただきまして、ありがとうございました。4月から兵庫県で教員をすることになり、知らない場所での人権教育について学びたいと思い、参加させていただきました。部落差別委員会、同和問題と言うと地域としては、狭いところに家が密集しており、小さな町工場で細々と仕事をしているような印象を持っていましたが、松崎さんの光工場を見学してこれだけ大規模な工場で多くの皮革製品を作っていることに驚きました。現在は廃業したり、縮小したりと工場が少なくなったと言う事でしたが、盛んに製品を作っている工場と同和地区が同じ所と言うことが新しい発見となりました。同和地区にも様々な環境があるのだと知りました。人権の問題を考えるとき、現在ではSNSで人が命を落とすなど新しい形の差別、人権問題が起きていることに心を痛めます。「差別に負けない誇りを持つ」と言う言葉をしっかり受け止めて、生徒には差別に負けない強い人になってほしいと思います今日はありがとうございました。明日からの生徒との関わりの中で、常に人権、差別を今まで以上に意識しながら生活していきます。

4•フィールドワークで実際に説明を受けながら歩いてみると、立派な人が建てられている理由(苦しい現世では希望がないので来世にすがる)や、川沿いの道路の隣の小さな道に入ると火事で焼けた家がそのまま残っていること、あるいは墓地から姫路城が見渡せる素晴らしい立地も城を守る裏鬼門(北東)としての役割の場所であったなど、見慣れた風景の中にも差別の実態が隠されていることがわかり、とても良い経験になりました。両先生のお話は飾らない中に真の強さと優しさが感じられ感銘を受けました。本日はありがとうございました。

5・人権教育研修を受けて

•Mさんの工場見学

 かつて危険な環境で作業が行われていたことが心に残りました。非常に丁寧な工程で、高品質な製品を作っておられ、そういうところも皮革産業への誇りにつながっていったように思いました。

•T町フィールドワーク

 江戸時代までより、明治以降の方が部落差別が厳しくなったとも言われると言う大垣先生の言葉が気になりました。現在の問題と並行して歴史を学び直す必要があります。以前、加古川東高校の井上先生のご講演をお聞きする機会がありましたが、その時にえていただいたテキストを読み直してみるとかでよろしゅうございますか。「○○はマイノリティーではない」というD先生の言葉や、かつての高木の盛んでいた様子、墓地からの眺めに触れているうちに同和そのものに対するイメージが変わりました。

•T地区フィールドワーク

 バスが通っていた道に沿って建つ家並みが、そのせいで日当たりや風通しの良さと無関係になっているのに気づきました。そういう見方を教えていただかないと問題点に気づけないことを知りました。やはり系統だったとは教育が不可欠だと再確認した次第です。ありがとうございました。

6•本日は貴重なお話、体験談、そしてフィールドワークをしていただき、ありがとうございました。被差別部落が神戸の居住地にもたくさんあり(神戸市のU)、友人もたくさんいました。また、中学校での4年間(長田中学)三田市にもたくさんがありました。そして川西での8年間の中学校(川西中学)、勤務地に革工場もあり、本日のフィールドワークやその後16年間の民間企業での勤務の後、講話では色々と思い出すこと、思い起こす場面や事象があり、とても有意義な時間をいただきました。私学で広告も広く、楽器に1時間しか人権教育に充てる授業しかなくなかなか同和教育に踏み込んでいけないのが現状ですが、今預かっている生徒の中にも対象生徒が必ずいると思うので、問題意識を常に持ち、高めて、日ごろの教育活動に専念したいと痛感いたしました。今回のフィールドワークでまた新しい視点で同和問題を中心とした事象を見ていけることができました。ありがとうございました。

T町内の正楽寺にある太閤井戸

7•本日は貴重な体験をさせていただきありがとうございました。同和学習に何を「ピントはずれな」と叱責されそうですが、T町での皮革工場見学では、その皆様が脈々と受け継がれてきた『我が地区の誇り.わが産業への自信』と言うことを感じました。今、コロナ禍で世界中が意気消沈している中で、励まされるような思いもしました。ただD先生から、小さな地区に大きなお寺が並んで立っている理由を教えていただいた時に同和問題の根深い悲しみに気づかされました。T地区では住宅が急傾斜危険区域に位置しており、住民が集う場である神社も長年その危険区域にあったと知り、大変驚きました。フィールドワークに参加した日は紅葉も美しい春のような一日でした。平日の静かな町並みを歩いているときの気持ちと住宅の危険度には大きな隔たりがありました。人為的に作為的に作られた部落に生命を脅かされながらここまで生きてこられた方々が安心して生活できるような細やかなサポートが必要だと感じました。また、就職や結婚など大事な節目にいわれのない差別にさらされる人が1人でも少なくなるように、発言していきたいと感じました。大変に重く重要な問題を明るく自然体で語っていただきありがとうございました構えることなく、自分なりに多くを受け止めることができたと思います。

8•本日は貴重なお話をありがとうございました。私自身が関東出身なのですが、恥ずかしながら部落問題に対する知識を持っていませんでした。しかしこちらの学校に赴任し、同僚や子供たちの話を聞いて、姫路の部落問題と人権教育に対する取り組みを知りました。同和地区を訪ねたのは今回が初めてだったのですが、正直な思いを述べさせていただくと、私の出身である木更津とあまり変わらないなと感じました。やはり「差別」と言うのは「知らない」と言う恐れから始まる問題だと改めて感じました。私自身は、学校で宗教について教えており、私自身、カトリックなのですが、小さい頃からそれゆえに偏見や差別を感じることが多くありました。苦しみとは比較できるものではありませんが、姫路地区で教育に携わる身として、子供たちに、人権の大切さとまず「知る」と言うこと、また人の痛みが分かる人に育てられるよう関わっていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

砥堀二区の急傾斜地にある寺院にて

9•私は下見と合わせて二度地区のフィールドワークに参加し、本当に多くの気づきと発見を与えられました。何よりも今回、C先生とD先生というお二人の地区出身の先生方に講師をしていただいたおかげで、何か表面的な知識ではなく、先生方のこれまでの人生の歩みから導き出された思いや展望に触れさせていただくことができたと思います。お二人ともが同和地区に大きな愛と誇りを感じておられることが伝わってきて、私は大変うれしかったです。もちろんこれまでの人生の中で理不尽な思いや悔しい思い、悲しみも経験されてこられたと思いますがそのような苦難を乗り越えてこられた方々に共通の豊かさと優しさを感じ、先生方から繰り出される言葉のひとつひとつにぬくもりがあり、説得力がありました。お母様が大変な状況の中で、私どもを快くご案内してくださったD先生にはなんとお礼を申しあげたら良いのでしょうか。皮革工場をはじめ、今日は見たこと学んだことを生徒たちに、他の人々に正しく伝えていくこと、差別でこれ以上苦しむ人が1人でもなくなるように、自分なりにできることを精一杯努力していくことが、先生方による兄の素晴らしいフィールドワークとお話に対する恩返しになるかと思います。私の親しい友人のお付き合いされている方が部落出身の方です。彼女に両先生から伺った「人としての誇り」と言う事について伝えたいと思います。地区で生まれ、一生懸命生きてこられた先生方の存在は、私がそうであるように、多くの人々に尊敬と共感の念をもたらし、同和問題をもっと正しく知り、学んでいこう、そして同じ思いの人々とつながっていき、差別のない社会を作っていきたいと言う気持ちを深めてくださいます。どうぞお体をお大切に、これからもご活躍をお祈りしています。本当にありがとうございました。心に残るフィールドワークでした。

10•非常に素晴らしいフィールドワークを本当にありがとうございました。最初の皮革工場のところから、教えられることばかりでした。皮を塩漬けにしているのを見るのは初めてで、その皮をドラム式のような大きな水槽に入れて洗うのも非常に興味深かったです。そしてその出来上がった皮がボールになるというところを実際に見せてもらって有意義でした。お二人とも先生でいらっしゃったと言うことで、説明も知識も凄く勉強になりました。また高木地区が皮革の最古の地であるということも印象に残りました。高木地区のベトナム寺院、そしてベトナム人がたくさん皮革産業の現場で働いていることがわかり、しかもいくつかの家はとてもきれいに改装してあってびっくりしました。また、砥堀の土砂崩れのことがとても心配になりました。なかなかこれを直すことができないことからも、部落差別が終わっていないことを肌で実感しました。T町、T地区とも、家の瓦が立派なところが多く印象に残りました。どちらの先生も非常にパワフルで、私も元気をもらいました。韓国語(朝鮮語)、私も習いたいと思っていたので良い刺激を頂戴いたしました。どうもありがとうございました。ネットフリックスの「愛の不時着」を観ました。


11•本日の研修を終えて、様々な学びがありました。普段、通勤などでT町・T地区を通ることもありますが、通るのみで、「皮革産業の地域だなぁ。あまり行くこともないだろうな」と思っていました。また、これまで自分自身が受けてきた教育の中で、被差別部落と言う問題があってこの近辺ではこういう地区があると言う程度の知識しかありませんでしたしかし両先生のフィールドワークと講義を通して多くの無知があったことを自覚しました。特にお二人はこれまで教員と言う立場で多くの苦労があったと思いますが、「自分の地区に誇りを持って、差別に負けない」と言う教育活動されてきたことに大変感銘を受けました。また地震に置き換えて考えてみると生きづらさを感じると考えて、自分の出自を明かさないと思います。やはり「現代の社会にも同和問題が存在する」と言う意識や雰囲気があるからだと思います。

研修を通して今の私の教員という立場から「本当に生徒に伝えるべき事は何なのか」ということを考えさせられました。ありがとうございました。

12•本日は午前中と午後と誠実に丁寧にご説明、そして、これまでのご経験をお話しいただきありがとうございます。印象に残っておりますのは

①T町の多くの方が皮革という職業に誇りを持っておられること。

②両先生は、地域社会に愛情持っておられると感じました。

 この研修を受けて、心がけたい事は、自分の近くで差別的な発言があったときに、

 本当にそんな考え方でいいんですか?  

 本当にそうなんでしょうか?  

 本当にそれでいいんですか?

とその人に問いかけることができるようにしたいと考えました。そしてそのような人が一人でも増えて差別する人が少なくなるように教育現場でも取り組んでいきたいと思います。最後に重ねて、両先生にお礼と感謝を申し上げます。

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